大学職員への転職完全ガイド|倍率・年収・面接対策を元職員が10ステップ解説

私立大学職員への転職に関心があっても、「何から準備すればいいのか分からない」と悩んでいませんか?

実際、大学職員は求人が少なく、情報も限られていて、おまけに人気が高く、最近は倍率も高くなってきました。

でも、正しい方向性で準備をすれば、かなり現実的に内定に手が届く転職先でもあります。

とはいえ「正しい方向性」と言われてもピンとこない方が通常だと思います。

そこでこの記事では、元大学職員の経験を活かして、

  • 大学職員に転職するための準備
  • 書類選考と面接のリアルな対策
  • 志望動機やキャリアプランの作り方

など、大学職員に転職する方法を10ステップで体系的に解説します。

元大学職員のai(あい)です!教務、国際、研究支援、経理、人事、学長室、と経験して20数年。早期退職を利用して引退。大学職員としての経験談をPR記事として公開中!

まずは全体像から確認していきましょう。


大学職員に転職するための10ステップ

大学職員に転職するための、準備の進め方を一覧でまとめました。

全部で10ステップあります。

ステップ結論
1. 待遇・年収を知る30代半ばで800万前後、40代半ばで1,000万
2. 採用倍率を知る表面上は50〜100倍、実質は3倍程度
3. 仕事内容・業界研究教育、法人運営、研究が3本柱
4. 英語力・資格の価値TOEIC600以上、理想は800前後
5. 書類選考対策常識不足だと秒殺
6. 面接対策一次面接と二次面接で焦点が異なる
7. 志望動機の作り方複数のパターンを準備すればOK
8. キャリアプランの考え方3つの領域を横断して経験を積むのが基本
9. 失敗のケーススタディ大学職員の適性は企業とは真逆
10. 大学の探し方100校をターゲットにすればOK

厳密にステップを踏む必要はありませんが、全てを網羅することが重要です。


早速、第1ステップから見ていきましょう。

大学職員の年収と待遇|転職前に知っておくべき勤務実態

私が在籍していた大学では、30代半ばで年収800万前後、40代前半で1,000万円を超えたくらいでした。

役職が付く昇格のタイミングだけは人によって多少ズレますが、基本給部分はほぼ横並びの、典型的な年功序列の給与体系です。

ボーナスは年3回、年間7ヶ月分で、企業とは違って景気や売上業績などの影響は皆無です。

管理職以上の年齢層になると年収に差が出てきますが、最後までヒラの職員でも、自動的に4桁の年収に到達するため、穏やかに職員人生を送る人の割合が高いのが特徴です。

福利厚生や退職金、企業年金などは、いわゆる大手企業と同程度に制度化されています。

大学職員のリアルな年収事情について「👉私立大学職員の年収の記事」で詳しく解説しています。

勤務実態としては、よく言われるように、

  • 残業はほどほど
  • 休暇が多い
  • 安定している

と、割とホワイトな状況です。

ただし、ホワイトであることの見返りとして、社風は保守的、仕事内容は定型業務一本に近いイメージです。

目新しい刺激に満ち足りることも、ほぼありません。

強いてあげるなら、

  • 箱根駅伝やオリンピック出場や大学スポーツの決勝戦
  • 政財界、芸能界などの著名人を招聘したイベント運営
  • 海外大学への短期視察や長期研修、数年間の正規留学

などで稀に雰囲気が盛り上がる程度です。

大学職員の勤務実態については、👉大学職員の残業は?夏休みは?母校や人間関係、副業の可否なども聞きたい!で整理して解説しています。

まずはこれらの記事で、今の職場と比較してみてください。


大学職員の採用倍率|中途採用は本当に狭き門なのか

中途採用の場合、表面上の倍率は大体50〜100倍といったところです。

それなりに狭き門という印象です。

ところが、実質的な倍率はそれほど高くありません。

しっかりと準備して、本気で来る人は全体の3割程度しかいないからです。

このカラクリを理解できれば、実は倍率は低いということが理解できます。

もちろん、本気組の仲間入りには鬼対策が必須条件です。

しばらくの間、プライベートな時間を削ってでも集中して取り組む覚悟は必要でしょう。

要領よく鬼対策をして「しっかり組」に入ることが内定のコツです。

大学職員の中途採用の応募状況や、倍率のトリックについては、👉大学職員の倍率は【低い】中途採用のカラクリを理解しようで整理しています。


続いては仕事内容について。

大学職員の仕事内容|部署別の業務と役割

大学職員の仕事内容は、「教育」と「研究」、そして「法人運営」の3本柱で成り立っています。

特に大学ならではの、「教育」「研究」面の仕事内容を十分理解して面接に臨むことが重要です。

事実、私が採用面接をしていて感じたことは、内定者たちの多くは、職員組織の概要を的確に把握していた点です。

大学職員の仕事の本質的なところを理解できていると、面接官と「会話が噛み合う」ことで、選考が非常に有利に進みます。

私立大学の運営における職員の立ち位置や、具体的な仕事内容についは、👉大学職員の仕事内容を網羅!部署別業務紹介と向いている人で詳しく解説しています。

例えば、入試の仕事などを学生時代の印象だけで語ってしまうとNGです。いかに職員目線で語れるかがポイントです。👉大学職員の入試課の仕事内容【出願処理・試験運営・入試広報】元職員が解説


大学職員の業界研究

大学職員の業界研究は、現役大学職員が読んでいる書籍を参考にしましょう。

逆に、学者が書いた大学経営の理論書や、元文科省の役人が書いた大学運営の本などは、現場目線で言わせてもらうと「空理空論」です(学問的には意義があると思います)。

採用面接で「机上の理想論」をコメントされてしまうと、現場職員の立場からすると冷ややかな印象につながってしまうので、実は、書籍選び一つとっても注意が必要です。

「現役大学職員が読んでいる本って何?」と思った人向けに、元大学職員として厳選した書籍を👉大学職員の転職におすすめの本【面接官が読んでいる5冊】で紹介しています。


大学職員に必要な資格と英語力|TOEICは必要?

大学職員の選考過程では、TOEICのハイスコアや、その他の資格などの転職スペックは、あれば絶対的に有利に働きます。

転職をまだ先のことと考えている人は、問答無用で今から地道に努力を重ねておきましょう。

特に英語力ならTOEICで600が最低ライン、理想は800前後のスコアが目安です。

その他であれば、情報処理系(MOS Associateレベルで十分)と簿記関連(日商2級で十分)がストライクゾーンです。

ただ、矛盾しますが、内定者は特に英語力も資格もない人が過半数です。

この矛盾点をリアルに紐解いている記事がこちらです。👉大学職員に英語力は必要?TOEICは何点?600点でも転職できる?【元大学職員によるリアル解説】


大学職員の書類選考対策|御校と貴学の違い

皆さんは「御校」と「貴学」を正確に使い分けられますか?

その使い分け一つで、書類選考は簡単に通過もでき、逆に即不合格にもなります。

ここは単なる知識の話ではありません。

「なぜ、正確な使い分けを知っておく必要があるのか」

その「理由」を知っておくことが書類選考の大きな分かれ目です。

大学職員の選考における重要な本質論を、面接をする側の視点で整理した記事がこちらです。👉御校?貴学?間違えた瞬間に落ちます【大学職員の採用対策】


ここからは実践的な準備編です。

大学職員の面接対策|一次面接と二次面接の違い

総合大学の場合は、一次面接の通過率はザックリといって3割程度です。

書類選考に通過後、100名から30名が一次面接通過、といったイメージです。

そして二次面接は、その30名から15名ほどに絞るイメージです。

もちろん大学によって異なりますが、一例として参考にしてください。

一次面接対策

大学職員の一次面接は、大量の応募者と朝から晩まで面接を繰り返しているのが面接官側の状況です。

そのため、一次面接レベルでは、とりあえずコミュニケーションを交わして、かなり大まかな基準で合否判定をしています。

例えば、

  • しっかりとした受け答えができるか、
  • 礼儀やマナーが常識レベルか、
  • 大学職員という職種に大きな勘違いをしていないか、

このようなシンプルな視点で、入室から退室まで含めて、主に印象面を観察して「面接直後に」合否判定しています。

理由は、一次面接の段階では、適性を深掘りするにはあまりにも応募者数が多過ぎるからです。

面接官側としては「最後に何かありますか?」と聞いた後の対応を観察するだけで、その応募者のポテンシャルを判断できます。👉大学職員の面接で逆質問をする方法【具体例、注意点、面接官心理を解説】


大学職員として真の適性を見られるのは、次の二次面接からです。

二次面接対策(具体例を公開)

大学職員の二次面接では、一次面接とは異なり、適性やポテンシャルなどを深く掘り下げて採否の判断をします。

この段階では、運や相性なども大きく影響します。

例えば、男女比や年齢構成、母校出身の割合などの調整が影響して、玉突きで合格となったり不合格となったりすることもあります。

とはいえ、全力で自己アピールするのはもちろん必要ですが、気をつけたいのは大学職員として「焦点がズレた」アピールをしてしまわないことです。

理由は、二次面接まで来れば、残る倍率は大体3倍程度なので、「焦点さえ合わせれば」かなりの確率で内定に届くステージにいるからです。

大学職員に求められる適性を、面接対策と絡めて解説している記事がこちらです。👉私立大学職員の中途採用面接で「やりたいことは?」への正解は?NG回答例と内定者の共通点を解説


大学職員の志望動機の作り方

大学職員の面接で志望動機を語る際は、いくつかの大まかなパターンを暗記しておくことがコツです。

そのパターンに、志望先の大学の「数字」や「固有名詞」をハメこんでいくだけで、その大学でしか使えない説得力ある志望動機が作れます。

逆に、懸命にセリフを考え抜いて、志望動機をプレゼンのように準備してしまうと、単なる発表のような印象になるので面接官にはなかなか伝わりません。

「大学職員ならでは」の志望動機のパターンと「重要なテンプレ」を👉大学職員の志望動機の作り方を解説した記事で公開しています。


大学職員のキャリアプランの考え方

大学職員のキャリアパスは、大きく「教学」「法人」「研究」の3つの領域を横断的に経験して、時間をかけて熟成するように形成していくのが一般的です。

この3つの領域はいずれも大学運営の根幹であり、どれも経験必須の業務領域です。

その点を理解して入職後のキャリアプラン像を語るだけで、面接では明らかに一歩リードできるでしょう。

しかも、キャリアプランを的確に答えられるということは、職員像を的確に理解していることの裏返しなので、面接官としては非常に良い印象を受けます。

さらに、職員像を理解している➜本気度が高い➜志望動機も高い、と間接的な志望動機としても機能することをおさえておきましょう。

大学職員のキャリアプランを理解できるように詳しく解説した記事がこちらです。👉大学職員のキャリアプランとは?|面接で評価される回答例とNG例

👆ここは、対策を取れば一気に合格ゾーンに早変わりするマジックポイントです。


大学職員の転職で失敗する人の特徴

大学職員の転職活動で失敗する人の特徴は、予習不足のまま面接に臨むタイプの人です。

例えば、「大学長の名前」「学部の数」「学生数」など、基本的なことが答えられないだけで、堅実で慎重であるべき大学職員としてのポテンシャルが疑われるからです。

また、企業への転職活動のようなスタンスで、大学職員の面接に臨む人も厳しい結果につながります。

いくらイノベーティブで付加価値を生み出せる企業家ポテンシャルをアピールできたとしても、大学職員に求められる適性にはあまり響かないからです。

職員には堅実さや慎重さが求められる理由、企業とはストライクゾーンが違う理由を、具体例で理解できるように解説した記事がこちらです。👉大学職員の転職は厳しい!「面接に落ちる理由を10個」4つ以上当てはまれば受かりません


転職先としての大学の見極め方

大学を見極める際に基本となる指標は、教育力と研究力、そして財務健全性です。

そこを起点として、次に、理系寄りの大学か文系寄りか、国際化の状況、世界大学ランキングにランクインしているか、医学部はあるか、などを見極めれば、その大学の将来性や安定性を自分なりに判断できます。

逆に、偏差値ランキングや知名度や定員割れの状況などは、あまりに表面的過ぎて、実はあまり意味がないか優先度が低いかのどちらかです。

このような視点で、全国に約600校ある大学の中から、約100校まで最新の指標でスクリーニングできる方法があります。

大学の実力の見極め方を、誰もができる非常に簡単な方法で解説した記事がこちらです。👉大学職員の転職先はどこがいい?ホワイト大学を見極める10の選別指標


大学職員への転職完全ガイド|まとめ

以上、方法論を10項目挙げました。

情報量が多く、対策には時間が取られ、結構大変なのは確かです。

ですが、そう思った人は、発想を変えてください。

上記の10項目を網羅すれば、足場は確実に固まります。

つまり、

努力の仕方が簡単なんです。

この記事で挙げたことを網羅すればいいだけ。

そして内定者たちはそれくらいの努力でゴールインしています。

本気にさえなれば、割と簡単に手の届くエリアに入れます!

そもそも、あなたが大学職員という独特の職種に向いているのか否か、まずは自己診断から始めたい方は、👉あなたは私立大学職員に向いている人ですか?【転職は冷静に】の記事からスタートしてみましょう。


FAQ(よくある質問)

Q
大学職員は未経験でも転職できますか?
A

内定者のほぼ全員が未経験者なので、全く問題ありません。大学事務職員の中途採用は、スキル採用ではなく、広い意味での社会人経験を重視したオープンポジションでの採用がほとんどだからです。

Q
大学職員の転職年齢の目安は?
A

転職年齢の目安は30歳代前半までです。理由は、大学職員という職種柄、学内での長期キャリア形成が大前提だからです。しかし、あくまで目安であるため、それ以上の世代の方でも一律に諦めずにトライしてみる価値はあります。

Q
大学職員の中途採用の倍率はどれくらい?
A

エントリー者数を分母にした表面上の倍率は50〜100倍程度です。年々応募者は増えているので、それ以上のことも十分あり得ます。ただし、本気で応募している人数は、そのうちの3割前後の感覚なので、実質の倍率はかなり下がります。

Q
大学職員に資格は必要?
A

特別な場合を除き、資格は必須ではありません。しかし資格があることで、転職活動に取り組む姿勢や、応募者間の同点決勝の場面などで有利に働くことは普通にあります。資格の種類的には、英語関連、情報処理系、簿記関係がメジャーです。


以上です!

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