元大学職員のAI(あい)です!教務、国際、研究支援、経理、人事、学長室、と経験して20数年。早期退職を利用して、今は悠々自適に余生を送っています!大学職員としての経験談を全て公開中!
ようやく見つけた大学職員の中途採用に落ちてしまいました。
何が原因だったのか、理由と対策方法を具体的に知りたいです。
こんな悩みにお答えします
この記事では、Sランク私立の大学職員経験者が18年間の勤務経験を交えながら大学の内部事情を語っています。
この記事の内容
大学職員の面接に落ちる理由を失敗例でケーススタディしよう
面接をする側として、全く採用する気になれないパターンを10個紹介します。
思い当たる点が4つ以上あれば、この先いくつ応募しても厳しいと思います。
順を追って見ていきましょう!
落ちる理由【1】学長名さえ知らない応募者
応募者の7割は準備不足の即不合格組
大学長の名前さえおさえないまま面接に臨んでくる応募者が7割程度存在します。
(面接官)「本気で私立の教育機関で働きたいと思ってんのかな・・」
というのがその時の面接官心理。
そして、この手の応募者があまりに多いので、
(面接官)「あぁ、またこのタイプか・・」
と無意識のうちに不合格集団と一緒にされてしまいます。
事前対策をしっかりしている3割だけが内定ゾーン
逆に、その程度のことは当たり前のようにきちんとインプットして面接にくる応募者は、その時点で合格ゾーンに入ってくる応募者です。
基本事項を事前に準備・理解した上で対話に臨む姿勢は、まさに大学職員の基本姿勢だからです
この点がわかっている応募者は、学長名だけではなく、その学長の所属学部や簡単な専門領域までサラッとアウトプットできています。
その他の基本情報もしっかりとおさえる応募者が内定ゾーン
学長の名前はあくまで一例。
例えばその他に、
- 学部の数、大学院の名称、
- 主要キャンパスの正式名称と場所、
- 付属小中高等学校の場所と名前、
- 総学生数、学費
- 建学の精神、創立者のフルネーム、
等々、何らかの新しい物事に取り組むときに、この程度の基本理解は当然に事前準備しておくのが職員の仕事スタンスです。
いわゆる「まじめキャラ」のイメージですね
面接では簡単に差別化される
面接でも、この程度は当たり前くらいのノリで対応すれば、それだけで他の応募者とはっきりと差別化できます。
準備は大変ですが、内定者はこのあたりをおさえて、的確に対策をとってきています。
何らかの新しい物事に取り組むときに、基本事項を事前準備しておくことが、職員の適性そのもの。
逆に準備が甘い人は、どんなに輝かしい経歴を持っていたとしても、大学職員の面接では秒殺です。
「準備が甘い」そのこと自体、職員としての潜在適性が欠けているからです
落ちる理由【2】「大学」と「学校法人」の違いがわかっていない応募者
「大学」と「学校法人」の違い。この質問は難易度が高いです。
7割の人は「質問の意味さえわからない」ような反応をします。
内定に至る人の特徴
内定に至る人の特徴は次のとおり
いかに内定者でも明確な答えはできません。
ですが、そこから派生する会話を通して面接官は色々と読み取れます。
例えば、組織図や事業報告書などを事前に読み込んできている応募者は、そこで得た知識を苦しいながらも色々とキーワードを入れながら話してくれます。
最低限、
- 学校法人としての正式名称は「学校法人●●学院」
- 大学としての名称は「●●大学」
くらいは苦し紛れにでも答えます。
- 「理事長」
- 「学長」
その違いくらいもコメントできるはずです。
そんなやりとりを通して、「大学」と「学校法人」の違いは答えられなくても、色々と応募先の大学のことを研究してきていることが会話を通して伝わってくるのです。
これで充分です。
理由は、本気で応募していることが伝わるからです。
間接的な志望動機とも言えますね
面接官の質問意図
難易度が高い質問をする面接官の意図は、上記のように、あなたの事前準備の程度を見極めるためです。
準備が甘い人はただただ硬直するだけ。
関連情報や周辺知識さえ、答えることができません。
落ちる理由【3】「学生のために」というフレーズを使う応募者
学生に直結する業務は少数
職員の主な役割は、規約などの制度に基づいて学内組織を不備なく運営させることです。
規定や定款と呼ばれるルールを隅から隅まで把握。
そして、それに沿って組織内が動くように、関連部署と調整を進める役割、とも言えます。
職員が、直接学生のために何かをするというシチュエーションはごく一部です
(応募者)「学生のためになるような改善を色々と推し進めたい」
とかコメントする場合は、ダメではありませんが、
(面接官)「職員の役割を理解できていないのね」
といった感じのマイナスイメージにつながりやすいです。
その他の面接でのNG発言
その他、
- 「就職サポートで学生の役にたちたい」
- 「留学経験を生かして大学の国際交流に貢献したい」
なども基本的には残念な印象につがるNGコメント。
理由は同じです。
職員の仕事はもっと別のところに焦点があることを認識しないままに応募してきていると思われるからです。
大学職員の仕事内容を的確に理解するにはこちらの記事が参考になります。
落ちる理由【4】カウンター越しに見えるスタッフのことを職員だと思っている応募者
学生部や就職部で目にしたことがある印象だけで、それを職員だと思って話す応募者もNG寄りです。
実際はカウンター越しの職員は全体のほんの少数。
そもそもカウンター業務等は派遣職員が請け負っているケースも多いです。
この手のコメントも、事前準備なく手持ちの知識だけで面接に臨んでいるような印象につながりますので、要注意です。
落ちる理由【5】職員の仕事をデスクワーク中心だと思っている応募者
職員の業務は、それなりの割合で肉体作業もあります。
会議対応やイベント対応など、大会場や屋外での要員対応も。
例えば入試期間中は、何万件という問題や答案を台車に載せて、長距離を運んで、、といったこともやります。
入試という機密性が高い業務は、正職員にしか任せられません
例えばAO入試や留学生入試などは9月入学。
入試は真夏に行われますので、猛暑下での肉体労働は本当に大変です。
※ 入試課の仕事内容を詳しく知りたい方は » こちら
ブルーカラーな業務が多い
管財課の仕事なども、作業服を着ている時間帯の方が多かったりします。
総務部も教務課も卒業生関連部署も同様で、結構ガテン系業務は多いです。
主に屋外で、運ぶ、受け付ける、誘導する、設営する、撤去する、といった感じの労働が多いです。
デスクワークに向いている点をアピールするだけでは、職員の適性は見えてきません。
また、
(面接官)「大変な仕事もあるけど大丈夫ですか?」
といったコメントには、上記のような背景を示唆しています。
そこにピンとくる応答ができるようにしておきましょう。
※ 管財課と教務課を含む仕事内容の紹介記事はこちら
落ちる理由【6】「新しい提案をしたい」というフレーズを使う応募者
大学をより良いものにしたい、という趣旨でのこのコメントは多いです。
しかし、職員はそういったことに関係ありません。
基本的には執行部や経営陣、つまり教員が行うことだからです。
新しい提案?
例えば、
「新しく付属小学校を都市部に開設し、小学校レベルから富裕層や著名人の子供を取り込み、大学卒業後の寄附金戦略や大学のブランディングにつなげたい」
とかいった「新しい提案」。
こういった判断には、職員は関係ありません。
執行部や経営陣、つまり教員が行うことだからです。
あくまでそれが決定事項となった後に、行政手続きや資金繰りなど、事務的な動きで奔走するのが職員の役割です。
そもそも、部外者による新規提案や改革案は、関係者にとってはどれもチープなものに聞こえがちです。
面接時に、改革のアイデアをコメントすることはあまりにもリスクが高いことを認識しておきましょう。
ただし、面接官によってはあえてそのような質問をしてくるケースもあります。
「あなたが職員になったら、この大学をどのような変えていきたいですか?」
といった感じの質問ですね。
聞かれた場合に備えて、以下の記事で何冊かの書籍をおすすめしています。
私個人的には、かなり役に立つ記事だと思うので、是非参考にしてください!
落ちる理由【7】ネガティブ応募
今の仕事がブラックで大変だから、というのが伝わってしまってはNGです。
楽をしたいから職員を受けているという本心が伝われば、その時点で面接官側は冷めてしまいます。
働かない職員がたくさんいるのが大学職員の温室世界。
いずれああなるんだろうな、といったような雰囲気が見えてしまうからですね。
現職をポジティブに表現
今の仕事をどれだけ頑張っているかを、まず猛アピールしてください。
その延長線上で、なぜ教育機関で働きたいと思うようになったのか。
そこが軸です。
ここからはテクニック的な話になります
落ちる理由【8】面接時に先に座ってしまう応募者
完璧なマナーで面接にのぞむ
面接会場で自分の順番がきたら、
- まずノックはコンコンコン、と3回が正しいマナー(2回はトイレ個室のノック)。
- 部屋の中から「どうぞ」と促されてから入室します。
- 入室後は名前をフルネームで名乗り「よろしくお願いします」程度の軽い挨拶。
- 面接官が「どうぞおかけください」と言うまでは、自分から座ったり荷物を置いたりしません。
といった「超」が付く基本ができない応募者が7割ほどいます。
マナー不足の失敗例
面接会場で順番がきたら、
- そのままドアを開けて入室し、
- お辞儀さえもなくそのまま椅子まで歩き始め、
- 何も促されていないのに椅子に座ってしまう、
さすがに中途採用でこのパターンはアウト
社会経験がある以上、常識レベルのビジネスマナーは完璧に身に付けて臨む必要があります。
大学は保守的な組織です。
面接マナーに不安がある方は「»リクナビNEXT」で学習しておけばそれで十分。
職務経歴書の雛形や、書類送付時のマナー文なども、全てこのサイトから仕入れて使えば大丈夫。
そもそも大学の人事部スタッフも、ここで情報を仕入れています。
落ちる理由【9】「。」がない話し方をする応募者
意気込み過ぎていて何を言っているのかがわからない応募者も多いです。
言いたいことがあり過ぎて話が長くなりがちな方も多いです。
結論から答えて、そして、起承転結のある話し方を徹底しましょう。
具体例
例えば、ある質問に対する答え方として、
「はい、おっしゃるとおりです。」
⬇︎
「と言いますのも〜だからです。」
⬇︎
「例えば〜についても同じようなことが言えると思います。」
⬇︎
「ですので〜だと思います。」
といった話し方の骨組みがあれば、聞いていて安心感を感じます。
「。」のある話し方、そして適切な「接続詞」でつなげば、起承転結のある話し方ができますよ
職員は、会議の場で常に質問を受ける立場にあります。
簡潔で的を得た事務局答弁が常に求められています。
落ちる理由【10】「戸締め言葉」を多用する応募者
面接官への印象付け
「戸締め言葉」とは、何かと無駄に「いや、」を冒頭につけて話し始めるクセですね。
このクセは、聞き手側にネガティブな印象を与えてしまいます。
このような若者言葉、職員ウケしない言葉遣いには気を配っておいた方が無難です。
特に最終面接(役員面接)ではそのあたりでマイナスイメージにつながりやすいです
その他の具体例
例えば、
「あ、そうですそうです。」
とか
「あ、違います違います。」
といったリピート言葉。
これは未熟な印象につながります。
「〜〜というか、、そうですね、そんな感じです。」
といった新卒学生ような発言の終え方。
どれも中途採用レベルではイタいですね。
このあたりは、自分では気付かない点が厄介です。
無意識に使ってしまっている、大人ウケしない言動。
十分な対策を練っておいた方がいいと思います。
対策方法
まとめ
以上、合格には程遠いタイプの典型例を例示しました。
大体7割くらいの応募者は、こんな感じで門前払いです。
これらと全て逆のことをやれば、一気に合格ゾーンに入れますよ!