大学の見極め方と探し方【大学職員の求人を見つけた後に確認すべき内容】簡単な方程式で大学を品定め

更新日:

 

 

転職先として大学職員を考えている方

 

困った顔で働く会社員のイラスト

一口に大学といっても内部事情はそれぞれ。

転職先として決意するには慎重になります。

どんな点に注意をすればいいのか、具体的に教えてください。

 

 

 

こんな疑問にお答えします

 

転職先として大学を選ぶ時、単純に以下のイメージが先行すると思います。

  • 知名度
  • 規模
  • 偏差値ランク

ですがイメージだけで自分の転職先をはかることは避けたいところですよね。

例えば、今、皆さんの職場に入社しようとしている人に、

「いや、ちょっと待った。実はね、、」

と伝えたいことはたくさんあるはず。

 

そんな視点で、おさえておきたい項目を解説していきます。

順を追って見ていきましょう。

 

 

この記事は、Sランク私立の大学職員として18年働いてきた経験者が、大学職員への転職の仕方を提供しています。

 

 

この記事の内容

 

 

大学の見極め方と探し方【大学職員の求人を見つけた後に確認すべき内容】

 

まずは内部者目線で気になる項目から

 

【見極め方1】大学の財務体質を確認

会計処理の基準は、全大学で統一されています。

このルールを外すと、文科省から数十億円単位の補助金がもらえません。

ですので、決算書については、全私立大学が共通基準であるという前提で比較して問題ありません

 

決算書の確認方法

とはいえ、大学の財務諸表を読める人は少ないはず。

そこで、最低限見ておくべき数値を紹介しておきます。

 

 

それは人件費の比率です。

 

 

人件費率の見方

人件費率は45%を目安に見てください。

46%を超えているような組織経営だと、根深い問題が山積みになっているはず。

その場合の根深い問題については、簡単には語り尽くせません。

 

 

ただ一つ言えることは、その場合は、教育機関と言うよりも、利権を蝕む組織文化に成り果てている可能性があるという点。

 

 

「学校」という、良い意味での穏やかさが、もはや失くなっているとも言い換えられます。

 

 

大学の見極め方と探し方【大学職員の求人を見つけた後に確認すべき内容】決算書の見方の説明画像具体的な比率の導き出し方は、右の画像にあるとおり。

 

「事業活動収支計算書」(要するに決算書)の

 

「教育活動収入計」に対して

 

「人件費」の割合を算出

 

すればOKです。

 

決算数値はWeb上で簡単に探せます。

 

 

もう一つ見ておきたい点

 

決算書の赤字や黒字について

実は大学の場合は、必ずしも大きな黒字決算が良いというわけではありません。

 

その理由と具体例

私立大学は、確固たる経営方針を持つことが法律上も課されています。

その経営方針に沿って運営されていれば、学校法人会計基準で処理する限り、赤字にも黒字にもならず、かつ将来も安定する会計の仕組みになっているからです。

 

 

例えば、100億円の学費収入があるとします。

 

この場合、1年間の予算案として、教育と研究のために100億円を使う経営計画をたてます。

 

これを緻密に計画して経営をするのが本来の教育機関の使命。

 

健全な経営をしていれば、学校には大幅な利益も損失も生まれようがありません。

 

 

大幅な黒字の場合の見極め方

こういった事情の中、大幅赤字の大学が論外なのは言うまでもありません。

一方、異常な黒字額を出す大学も、その理由を慎重に調べてみるべき。

 

 

その場合、教育機関としての経営ではなく、損得勘定を過度に反映した企業的な組織文化である可能性があります。

 

 

 

例えば、決算で20億円の黒字になったとします。

 

この場合、学校会計上は、

 

「20億円を、教育と研究のために使わなかった。」

 

という見方をされます。

 

言い方を換えると

 

「もっと良い教育環境を提供できたはずなのに、それをやらずに学生に機会損失を与える経営をした」

 

といった感じです。

 

 

黒字・赤字の具体的な確認方法

大学の見極め方と探し方【大学職員の求人を見つけた後に確認すべき内容】決算書の見方の説明画像決算書をWebで探し、

「事業活動収支計算書」の

「基本金組入前当年度収支差額」

の数字を確認すればOKです。

 

聞いたこともない単語だと思いますが、全ての私立大学で、決算数値はこの単語で表現されています。

 

【見極め方2】オーナー系の大学かどうかを確認

創業者一族による世襲制が確立している私立大学は今でも多いです。

いわゆるオーナー系企業と同じ。

例えば、帝京大学、近畿大学、東海大学などは有名ですね。

もちろん同族経営には良い点も悪い点もあります。

 

オーナー系かどうかの調べ方

とはいえ、転職先として考えるとき、それを知らないで入職するのは避けたいところ。

調べ方は簡単です。

経営陣の構成メンバーを確認すれば一目瞭然。

学校法人の経営陣とは以下の肩書きの人たちのことです。

  • 理事長
  • 理事
  • 評議員

これらの構成メンバーは必ずWebで公表されています。

そこに同じ苗字のメンバーが連なっていれば、大概は同族経営です。

ちなみに、» こんな情報源も、つかみとしてはありだと思います。

 

【見極め方3】転勤先の状況を確認

転勤先の確認方法

一般的に、大学職員は人事異動が多いことが特徴です。

一つの部署で大体3〜5年。

その後、次の全く違った部署に異動します。

その際、当然に勤務地はキャンパスの所在地に紐付きます

特に都心部の大学なら、都心キャンパスと郊外キャンパスが混在しているパターンは多いです。

そのため、自分の通勤許容範囲と天秤にかけて検討しておくことは必須です。

 

その他の可能性がある勤務先も確認しておく

付属の小中学校や高校も、当然、転勤先の対象です。

また最近は、首都圏にサテライトキャンパスとして事務所を置く、といった地方大学も多いです。

海外勤務も増加傾向、可能性ゼロというわけではありません。

 

ですが、これらは転勤先となる可能性は少ないのが通常です。

また、事前に本人への打診もなされた上で辞令が出るのが普通。

 

ただ、理屈上は、全てが転勤の対象ですので一応把握しておくことは必要です。

 

【見極め方4】文系か理系かを確認

理系が強い大学の場合

理系が強い大学のキャンパスは活気に満ち溢れています。

理系教員は、研究活動がライフワークのような人たちの集まり。

また、理系の研究設備などには莫大なお金が動きます。

文科省や企業などとの連携も日常茶飯事。

そのため、一般的には慌ただしい経営状態になりガチなのが特徴です。

 

 

つまり、職員の業務量も多く、多忙になります

 

 

文系中心の大学の場合

反面、文系中心の大学は比較的おっとりとした業務スタイル。

その分、職員間の人間関係など、余計なところで面倒な対応に追われがちです。

教員の性質も、世間知らずや権利意識が強くなっていく人が多く、面倒な教員対応が多いことも特徴です。

ただし、理系と比べると研究設備費などは、ほぼかからないに等しいです。

 

 

そのため、財務状況がよく、教職員の待遇も良い大学が多い傾向にあります

 

 

もちろん、財務状況が良い傾向にあるといっても、健全な経営をしている大学に限ります。

 

【見極め方5】医学部の有無を確認

大学職員の異動先の一つであることを認識しておく

医学部があるというだけで、同じ大学職員でも働く方向性はガラッと変わります。

当然、医学部勤務も異動先の対象。

仕事のスケールが途端に大きくなり、とにかく緊張感溢れる日常、業務は多忙です。

大学によっては、休暇も取りづらくなるかもしれません。

 

病院勤務の可能性を認識しておく

そもそも、医学部には必ず付属病院があるため、そこに異動となると「病院勤務」の世界を経験することになります。

大抵の人が、わかってはいても「学校職員のつもりで入職したのに・・・」となりがち。

ただ、医療の世界を深く知ることは、自分や家族の生活に直結する有意義な知識や経験にもなります。

医師である教員とも深い信頼関係が築かれるので、いざというときは(大きな病気とか)最大限のVIP対応をしてくれたりといったこともあります。

 

次に一般的な目線で気になる点

 

【見極め方6】大学の規模についての考え方

就職先として大学を見るときは、規模によるイメージにはとらわれない方が賢明です。

大規模だと学費収入は増えますが、同時に支出も跳ね上がりますし、勤務面では転勤も多くなります。

逆に小規模単科大学でも、独自性があって経営基盤が整っていれば、働く環境としては最高です。

待遇面についても、大規模と小規模による法則性は特に見当たりません

例えば首都圏の例でいくと、慶応や上智は待遇面は控えめ。

芝浦工大や東京電機大は高待遇です。

 

【見極め方7】大学の偏差値や入学志願者数についての考え方

大学の偏差値の考え方

偏差値ランキングについては、大学を勤務先として考えた場合はあまり関係ありません

大学職員の感覚は、企業で働いている感覚と日常面で何ら変わりないからです。

人事や経理、教務や学生支援などの事務作業で、偏差値ランキングが関係することは皆無です。

入試や広報となると、逆にランキングは意識する必要がありますが、それもそれぞれのランキングに見合った戦略による仕事をするだけです。

 

大学の入学志願者数の考え方

入学志願者数も、10年単位で見ると、過去も将来も浮き沈みがあるのが普通です。

そもそも入学志願者数が増えても、入学定員は一定、入学者が増えるわけではありません。

また、入学志願者数が増えたことによる受験料収入への影響も、全体の収入額から見ると微々たるもの。

志願者が増えると一時的に広報価値は上がりますが、とはいってもトレンドに一喜一憂する必要はない、というのが関係者の感覚です。

 

【見極め方8】世界大学ランキングを確認する【重要】

世界大学ランキングとは

世界大学ランキングには注目しておくべきです

これは、日本国内の指標とは全く異なるランキングです。

例えば、日本では、ブランド志向や知名度が受験生を刺激し、それが偏差値に反映されがち。

従って、日本の偏差値ランキングはイメージ先行型の薄い評価基準です。

 

世界大学ランキングに注目する理由

一方、世界大学ランキングは、研究力、論文引用数、グローバル度などが指標。

骨太の指標を客観的に数値化された結果のランキングです。

しかも世界統一基準。

大学としての真価がわかるランキングです。

 

世界基準の中での日本の大学の状況

その世界基準でランクを測られると、日本の教育・研究力は惨憺たるもの。

アジアの中だけで比較されても、中国、香港、シンガポール、韓国勢に惨敗状態がずっと続いています。

そもそもランキングに入ってくる日本の大学はごくわずかで、そのほとんどは旧帝大。

 

日本の大学は世界基準の中ではランク外

例えばTHE(※)と呼ばれる最も権威あるランキングでは世界で上位800校をランク付けします。

しかし、日本の大学の9割以上はそもそもランキング外。

日本の大学の実力は、世界上位800位以内には、全くお呼びでない状態です。

しかもそれが長年続いています。

(※THE=Times Higher Educations)

 

少数の私立大学は世界標準にランクイン

しかし、その中でも、数少ないものの、いくつかの私立大学が世界評価を受けて800位以内にランクインしています。

こういった大学は、将来に向かって本物度が高い大学と言えるでしょう。

 

世界大学ランキングと大学の見極め方との関係

これからの時代は問答無用のグローバル時代。

世界中から権威ある研究者が集まり、国境を越えて優秀な学生が集まってくるか否かが、大学としての生命線になることは間違いないです。

 

【見極め方9】大学の定員割れについての考え方

転職活動の結果、定員割れをしている大学にしか内定が出なかった場合、慎重に考えた方が無難です。

この点は、本来であれば財務状況を10年分くらい読み取って見てみるべきではあります。

そうすれば、定員割れ自体は全く問題にすることはない、といった見方になることもあり得ます

 

しかしそこまで分析するのは中々難しいはず。

 

そうすると、定員割れをする大学には、おすすめする要素は何一つ見当たりません。

賭けに出るようにそこに就職するのではなく、内定が出る実力は証明済みなので、できればもう1年転職活動を頑張ってより良い大学に転職した方が、長い目で見て安心です。

 

【見極め方10】大学の実力を簡単に見極める方法

以上、いろんな角度から就職先としての大学の見極め方を紹介してきました。

どれも、分析に時間をかけるだけの価値ある項目です。

できれば一つ一つを精査したいところ。

 

ですが、それはあくまで理想。

関係者の助言無しだと限界もあります。

 

そこで最後に簡単な見極め方を紹介します。

他力本願の見極め方、かつ、信頼度はMaxレベルの方法です。

 

転職活動の対象となる大学の数

私立大学は全国で597校。

そのうち、待遇面や安定面などをざっくりと考えると、Bランク以上でそれなりに名の通った大学が転職対象でしょうか。

そうすると、大体100校くらいになると思います。

が、それを手探りで選別するのは至難の技。

 

転職対象の大学を簡単に見極める方法

見極めは、

» 日本私立大学連盟

に加盟している大学を基準にすればOK。

 

日本私立大学連盟はいわゆる業界団体。

教育の質や財務状況や将来性などの一定の基準をクリアし、審査に通った大学だけが加盟できる業界団体です。

ここの会長は早稲田か慶応の学長、副会長に関関同立とMARCHあたりの学長から2名、と決まっています。

 

110校を転職対象とする

その日本私立大学連盟の加盟校は110校。

日本の私立大学の中から、客観的基準によって上位6分の1に選ばれた大学と言い換えられます。

 

見極める時の注意点

注意点は一つだけ。

似たような名前で「日本私立大学協会」という団体があります。

こちらは、団体としてやっていることや目的は同じですが、加盟校のランクはグッと下がります。

上で紹介した「日本私立大学連盟」とは似て非なるものなので間違えないよう注意しましょう

 

併せて読みたい記事

大学職員 転職希望者向け 記事一覧へのリンク画像







-転職活動
-

Copyright© AI Blog , 2021 All Rights Reserved Powered by STINGER.